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2016/02/03

【ルクセンブルク・フォー・ファイナンス/在日ルクセンブルク大公国大使館/ルクセンブルク貿易投資事務所】ルクセンブルク財務大臣が来日、ユーロ圏のフィンテックハブ・ルクセンブルク、仮想通貨ならびに欧州フィンテック事情に関するセミナーを開催!(FinTech関連)

| by:サイト管理者

 2016年1月21日(木)、ルクセンブルク・フォー・ファイナンスは、在日ルクセンブルク大公国大使館、およびルクセンブルク貿易投資事務所の協力の下、渋谷にあるイベント&コミュニティスペース dots.においてセミナー「ユーロ圏のフィンテックハブ・ルクセンブルク:「仮想通貨」ならびに欧州フィンテック事情(Luxembourg As The Euro Zone’s FinTech Hub : “Virtual Currencies” and FinTech Landscape in Europe)」を開催した。



 2015年7月に開催された1回目のセミナー(詳しくはレポートを参照)に続き、今回のセミナーでは、数多くの企業がヨーロッパ向けサービスをルクセンブルクから展開するなどユーロ圏のフィンテック・ハブであるルクセンブルクについて、現地フィンテック業界の事業環境やエコシステムなど最新の情報やビジネスチャンス、政策、業界団体、VCなど様々な視点から紹介されたほか、主要テーマとして「仮想通貨」について政策や法規制環境について解説された。なお、司会進行は、ルクセンブルク貿易投資事務所 松野 百合子氏が務めた。



 冒頭に、ルクセンブルク財務大臣 ピエール・グラメーニヤ氏より開会の辞。ルクセンブルクは、FinTechという言葉が生まれる前からEC分野などでEUのハブとして先進的なコンセプトを推進してきたことに触れ、同国のポイント(3 M Speech)について、政府による規制への取り組みや生産性の向上に対する強いメンタリティー(Mentality)、5億人のEU単一市場に容易にアクセスできるマーケット(Market)、容易な資金調達と豊富な選択肢があるマネー(Money)を挙げ、今回のセミナーが有意義なものとなることを願うとともに、ぜひルクセンブルクに来てほしいと語った。



 セッション「フィンテック イノベーション ハブ ルクセンブルク“FinTech Innovation Hub Luxembourg”」では、ルクセンブルク・フォー・ファイナンス CEO ニコラ・マッケル氏が登壇。人口も少なく小国でありながらもEUの中心にある戦略的立地を生かし欧州単一市場へのアクセスと多様化した金融センターエコシステムによるイノベーションへの意欲により3大金融センターのひとつとして、インキュベータやアクセラレータなど公的・民間による支援が充実している点をアピール。デジタル国家を目指し研究開発も盛んで、同国の世界におけるテクノロジー・ランキングを紹介した。

 セッション「フィンテック規制の論点“Fintech Regulatory - Issues”」では、ルクセンブルク金融監督委員会(CSSF)ナディア・マンザリ氏が登壇。EU全域でも注目され議論されているフィンテックについて、同国ではフィンテックという言葉が生まれる以前の2007年の段階から同国内の金融機関とテクノロジー企業とともに競争優位性を築いてきたとし、多様性が増す中で、規制当局としても企業とのコミュニケーションを重視し、エンゲージメントを通じて規制の目的やメリットなど相互理解を進めるなど抜本的な変化を遂げてきたとした。その上で、新しいテクノロジーを活用したサービスを提供するだけか、あるいは金融サービスを自ら行うかによって規制対象の適用を分類するとともに、仮想通貨をはじめて通貨として認めた同国において、議論を通じた結果としてAML(アンチマネーローンダリング)や電子アーカイビングなどの分野で新しいテクノロジーへの適用が必要なことも一部あるものの、メインの活動は既存の規制の枠組みをベースとして使えると判断し、それによってEU加盟国(28カ国)の5億人の欧州単一市場にサービス提供が出来る(EUシングル・パスポート・ルール)ことに重要な意義があると語った。



 セッション「欧州ならびにルクセンブルクにおける仮想通貨“Virtual Currencies in Europe and Luxembourg”」では、シルツ&シルツ法律事務所 パートナー ジャン=ルイ・シルツ氏が登壇。「規制により世界のビットコインハブは決まるのか?」とした記事のタイトルを引用し、2年前には規制すべき・すべきでないと2極化していた議論も、現在では予測可能性や安定性を高められるなど規制があることで銀行とパートナーが仮想通貨について話を進めていくための枠組みとなり、リスク因子と対処方法が明確になることで消費者保護につながるとともに仮想通貨の信認が高まることで自信を持って使えるようになるメリットを生かすべく、ペイメントサービスや電子マネーなどルクセンブルク金融監督委員会(CSSF)によるライセンス状況に触れつつ、ルクセンブルクでは既存の規制の枠組みをベースにEU全域に対して仮想通貨ビジネスが展開できる玄関口となっていることを強調した。

 セッション「日本の仮想通貨企業から見たルクセンブルク“Luxembourg seen from a Japanese virtual currency company”」では、bitFlyer CEO 加納 裕三氏が登壇。ヨーロッパ進出にあたり、ロンドン、フランス、ドイツなど数ある候補の中からルクセンブルクを選んだ理由として、レギュレーションに対する先進性、政府や規制当局の要人との近く早いコミュニケーション、ライセンスの取得のし易さとEU全域にサービス展開が出来るパスポート、会計士やコンサルタントなど付加価値の高い豊富なサポートの多さなどを挙げた。



 セッション「ルクセンブルクにおけるフィンテック・スタートアップの資金源“Financing Sources For Fintech Start-Ups in Luxembourg”」では、ExponCapitalファウンダー&パートナー アラン・ロダーマン氏が登壇。助成金やコンテストによる賞金、ビジネスエンジェルと融資、VCファンド、ルクセンブルク・フューチャー・ファンドなど様々な資金調達ソースを紹介。その上で、ヨーロッパにおけるフィンテックのスタートアップと資金調達状況、インキュベーターと共同ワーキングスペース、アクセラレーターやそれらをナビゲートするLUXINNOVATIONについて紹介した。



 各セッションが終わり、ナディア氏、シルツ氏、ニコラ氏、加納氏、アラン氏の登壇者全員が揃い、参加者との質疑応答が行われた。




 その後、食事とルクセンブルクのビールなどが用意され、ネットワーキングが行われた。その中で、ルクセンブルク・フォー・ファイナンス CEO ニコラ・マッケル氏より感謝の言葉が述べられ、また、一般社団法人FinTech協会 代表理事 丸山 弘毅氏(インフキュリオン・グループ 代表取締役)より乾杯の挨拶が行われた。丸山氏は、日本におけるフィンテックもこれまでの勉強や研究の段階から、2016年はビジネスとして成功していく段階に入る年になると語り、ルクセンブルクを通じてヨーロッパ、そしてグローバルに出ていくべくこれからの日本のフィンテックの発展を願い乾杯した

<<取材を終えて>>

 ニコラ氏と松野氏は、翌日の2016年1月22日(金)、自民党FinTech(フィンテック)推進議員連盟が衆議院第一議員会館において開催した海外のFinTech事情と日本におけるFinTechの取り組みについてと題した「勉強会」にもスピーカーとして出席した。(詳しくはレポートを参照

 少子高齢化に向かう日本の産業活性とGDP拡大に向けたフックとして民間のみならず、議員の中でも期待を込めて認知が広がるフィンテック。先進的かつ実効性のある取組みで先行しているルクセンブルクの取組みに学び、その国家・民間インフラの仕組みをフルに活用することで日本初のグローバルビジネスを加速していくなど、これからのフィンテックベンチャーによる革新的なサービスの登場と成功事例が数多く生まれていくことにより、日本経済の明日へのブレイクスルーにつながることを期待したい。

(取材、撮影、記事、編集・制作 : 藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ )





09:33 | 取材:金融・IT業界向け

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