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2019/04/24

【ISID】消費の未来を変える、世界初の「エシカル消費」実証実験をフランスで実施~消費行動をSDGs17ゴールに関連付けて可視化、トークンエコノミーの実現性を実証~

| by:ウェブ管理者
株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長: 名和 亮一、以下 ISID)のオープンイノベーションラボ(以下イノラボ)、シビラ株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役:藤井 隆嗣、以下シビラ)、仏バルドワーズ県経済開発委員会(委員長:フィリップ・スール、以下CEEVO)の3者は、ブロックチェーン関連技術によりエシカル(倫理的)な消費※1行動をSDGs※2の17ゴールに関連付けて可視化し、新しい価値基準に基づく経済圏の実現可能性を実証する実験を、5月8日(水)よりフランス・パリで実施します。

本実証実験では、イノラボとシビラが共同開発中の「トークンエコノミープロトコル※3」の実装により、汎用プロトコルから非中央集権的にトークンを付与する仕組みを世界で初めて実現しています(ISID調べ)。また「エシカル消費」を促す情報流通の仕組みとしても、世界初の事例となります(同)。なおフランスの食文化に関する知見提供やICTを用いた実験デザインの店舗適用に関しては、CEEVOのほか"Master Chef of French Cuisine"(フランス料理マスターシェフ)称号を有する仏フェランディ調理学校のジョエル・ボワロー副学長らが協力します。

期間 2019年5月8日(水)~10日(金) 
場所 レストラン「ゼブラ」(フランス・パリ市)

■実験のポイント
1.エシカル消費が根付くフランスの一流レストランで実施
2.宮崎県綾町の完全無農薬・植物性堆肥にこだわった有機ワインを空輸・提供
3.価格や味ではなく、徹底的に環境に配慮した生産哲学を来店客に訴求
4.来店客の注文行動を、SDGs17ゴールに関連付けて可視化
5.トークンエコノミープロトコルを実装し、汎用プロトコルからトークンを付与する仕組みを世界で初めて実現
6.NFC対応ハードウエアウォレット※4によるゲーム感覚のUXで利用者の心理的障壁を低減

■実験の社会的意義
商品やサービスを選ぶ際に、社会や環境に配慮しているかどうかを重視する「エシカル消費」は、新しい消費のかたちとして世界的に関心を集め、特に欧州を中心に広がりを見せています。環境への意識や弱者への配慮が文化的に根付くフランスや英国では、エシカルコンシューマーと呼ばれる消費者コミュニティが複数形成され、「他者のための消費」「未来のための消費」という価値観のもと、商品選定における多様な価値基準が存在しているとされます。

しかし、そのような新しい消費者が求める商品情報は、価格や素材、品質といった従来の指標では表現できず、例えば「環境への配慮度」や「動物虐待防止策の整備状況」、あるいは「どのような生産哲学で作られたか」といった情報を、信頼しうる形で消費者に届ける仕組みが必要になります。また、こうした新しい消費者コミュニティにおいては、個々人のエシカルな消費行動自体が地球環境への貢献と捉えられ、その人への信頼や評価につながるという側面を持ちます。

本実証実験は、こうした多様な価値基準に基づく消費のサプライチェーンをテクノロジーの活用により可視化し、エシカル消費の喚起・促進につなげようという、世界でも類を見ない試みです。

■実験の素材と舞台
本実験には、完全無農薬・植物性堆肥にこだわったワイナリーを営む宮崎県綾町の香月ワインズが全面的に協力し、土作りから葡萄の作付け・収穫・醸造・加工・出荷・輸送まで、すべての履歴がブロックチェーンに記録された50本の有機ワインが実験のために空輸されます。舞台となるのは、世界一のワイン大国であり、古くから有機ワインの生産も盛んなフランス。日本から持ち込んだワインが「無農薬であること」は付加価値にならず、「味」も評価の対象にはなりません。

こうした中で、自然生態系への負荷を極限まで低減したワイン作りにこだわる香月ワインズの生産哲学を、いかに分かりやすく訴求し注文行動につなげられるか、さらにその行動が注文客自身の評価に還元されるという新しいユーザー体験を創出できるかが、本実験の焦点となります。

■技術面の革新性
イノラボとシビラは、2016年より宮崎県綾町と共同で、ブロックチェーンを活用して有機農産物の生産・流通履歴を記録・可視化するトレーサビリティ・システムの構築に取り組み、実証を重ねてきました。今回はこのシステムに加え、SDGsの17ゴールにちなんで擬人化した17種類のNFC対応ハードウエアウォレットを用意します。来店客は、ゲーム感覚の演出を通じて、香月ワインを注文すればゴール13(気候変動)やゴール15(陸の生物多様性)などに貢献できることをひと目で理解し、注文によるエシカルな貢献を証明するトークンを簡単に取得することができます。

さらに最も革新的なのは、イノラボとシビラがこれまでの実証実験を通じて開発を進めてきたトークンエコノミープロトコルを今回初めて実装し、汎用プロトコルからトークンを付与する仕組みを構築している点です。これにより、従来の常識や通念では評価できない新しい価値がトークンとして定義され、一切の恣意や歪曲なく正当に評価され流通する「トークンエコノミー」の概念を、物理的に実現しうるかが実証されることになります。なお実証実験による売り上げは全てノートルダム大聖堂再建のために寄付されます。


原文はこちら
https://www.isid.co.jp/news/release/2019/0424.html

15:06 | IT:一般
 

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