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2017/10/06

【カブドットコム証券】ネット証券の「投信ランキング」を上手に使いこなそう!~ カブドットコム証券 浅野玲子さんに聞く~(ネット証券4社共同プロジェクト)

| by:ウェブ管理者


 ネット証券の投資信託のページには必ずと言っていいほど掲載されている投資信託のさまざまなランキング。「ランキングに載っている人気投信を買ってはいけない」など、どちらかと言うとネガティブに説明されることも多い投信ランキングですが、せっかく載っているからには上手に活用したいもの。そこで、カブドットコム証券のファンドアナリスト・浅野さんに、投信ランキングの基本から使いこなしの方法まで教えてもらいました。

■Q1:投信のランキングって何のためにあるの?
■A1:客観的なデータからファンドの傾向などを確認できます

 投信ランキングは、買約定金額や純資産額などそれぞれデータをもとに作成しています。そのため、「買付約定金額上位のファンド」「分配金利回りの高いファンド」「積立申込者数の多いファンド」など、今のファンドの状況を手軽に知ることができます。

 また、ネット証券の場合、対面の銀行や証券会社に比べてファンドの取扱数が非常に多いのが特徴といえます。ファンド数が多いことで、自分に合ったものを選べるというのはメリットがある一方で、1からからファンドを探すのはなかなか大変ですよね。人気や売れ筋、純資産額などで絞り込まれているランキングを「入口」にしてみると、自分に合ったファンド探しの一助になるもしれません。

 それから、これは国民性かもしれませんが、みなさんランキング好きで、他の人が買っていると安心するという人が多いことも、各社が投信ランキングのコンテンツを用意している理由のひとつではないでしょうか。

 ただし、ランキングを見て上位に入っているファンドをそのまま買うという使い方は避けたいところです。「ランキング=自分が買うファンドの候補」ではなく、あくまで客観的な情報の1つとしてランキングを捉えて欲しいと思います。

■Q2:そもそもどんなランキングがあるの?
■A2:買約定、運用成績、配当利回りなどさまざまです

 ネット証券ごとに、掲載しているランキングの種類は異なります。どこのネット証券でも比較的よく見かけるのは、買約定代金や積立件数などのランキングではないでしょうか。カブドットコム証券の場合は、次の5カテゴリー・8つのランキングを用意しています。




     ●カブドットコム証券の投信ランキング一覧  

  ランキングを見る際には、注意書きなどを確認してそのランキングがどのように算出されているのかを正しく理解しておくことが大切です。たとえば、カブドットコム証券の「プレミアム積立®トップ5」の場合は、積立金額ではなくて累計の申込者数でランキングを作成しています。

 また、「配当利回りトップ5」はいわゆる分配金のランキングですが、直近1年間の税込分配金を算出日の前営業日の基準価額で割って分配金の利回りを計算しています。注意して欲しいのは、配当利回りはファンドの分配金から計算しているもので、ファンドが投資対象としている資産(株式や債券など)のインカム、キャピタルゲインとは限らないということです。ちょっと難しい話になりますが、できれば運用報告書の「収益分配金」の箇所を見て、どこから分配金が支払われたかというのを、ランキングと併せて確認しておくといいですね。(過去の収益を蓄積した分配可能原資から出ることもありますので、ぜひチェックしてみてください)

 なお、カブドットコム証券では、投信ランキングのページ以外にも、インデックスファンドの信託報酬のランキングが見られるコーナーも用意しています。こちらについては、後ほど改めて説明します。

■Q3:「買約定」ランキングの上位に入るのはどんなファンド?
■A3:毎月分配型が目立ちますが、相場環境によっても変わります

 当社の「買約定」ランキングでは、上位にはやはり毎月分配型で好分配のファンドが多く入る印象ですね。また、「配当利回りトップ5」にランク入りしているのはほぼ毎月分配型ファンドです(2017年9月4日時点)。

 毎月分配型は、ネガティブな印象を持たれる方も多いですが、たとえば定期的な収入が少ない60歳以上のリタイア世代にとっては、定期収入の代わりになるというニーズがあるようです。必要な人にとっては、たとえご自身の元本を取り崩して分配を行っている特別分配金(元本返戻金)になったとしても、その仕組みを理解した上でなら購入、保有することは構わないと考えています。


 また、相場環境によっては、日経平均のインデックスファンドが「買約定」の月次ランキング入りすることもあります。安いときに買って、高いところで売るという短期売買に使われているようですね。ETFとは異なり、通常の投信は1日一回しか値がつかないので、相場を見ながら頻繁に取引ができない人にとってはファンドのほうが便利だということが考えられます。 

■Q4:ランキングってどうやって活用すればいいの?
■A4:投信業界やマーケット動向、ファンドマネジャーの運用スキルを調べたい時等に使えます

 ランキングによって、見方や活用の仕方は変わってきます。

 まず、「買い約定トップ5」は、「トレンドチェック」に役立つと考えています。特に、月次(マンスリー)はその月の相場等も踏まえて、全体感を捉えるにはピッタリかと思います。一方、日次(デイリー)は単日の結果に過ぎないので、あまり重視する必要はなさそうです。

 「買約定トップ5」は、実は毎月そんなに大きく顔ぶれが変わるわけではありません。その中で、急に上位に食い込んできたファンドがあった場合には、ちょっと注目してみるとよいかもしれませんね。「これが今なぜ人気なのか?」と気になったものがあれば、ファンド名をクリックして詳しい情報をチェックしてみるとよいでしょう。

 「運用成績トップ5」については、月次ではマーケットの騰落率が反映されていることが多いと考えています。そこで、上位に入っているファンド名を見れば、今のマーケットの動向が見えるのではないでしょうか。たとえば、9月中旬の「運用成績トップ5(月次)」では上位にロシア関連のファンドが複数入っていることから、直近はロシアのマーケットがよさそうだといった見方ができます。普段、投資信託の情報はどうしても日本・米国に偏りがちなので、運用成績のランキングから幅広い情報を取るというのは意味があると考えます。

 年次の場合は、アクティブファンドであれば、ランキングに入っているものはファンドマネジャーの運用スキルが高いのではないかと考えられるので、ファンドマネジャーの運用スキルを見るひとつの指標としても活用できるでしょう。

 「プレミアム積立®トップ5」と「純資産高トップ5」は、どちらもそこから何かを読み取るというよりは、素直に積立申込数の多いファンド、純資産総額の多いファンドということで見てもらえればと思います。

 「配当利回りトップ5」については、前述のとおり、あくまでファンドの分配金から割り出した利回りです。必ずしもそのファンドの決算期における収益が分配されているとは限らない点をよく理解して、ランキングは「参考」として見てもらうのがよいと考えます。

 また、当社では投信ランキングとは別に、インデックスファンドのコスト(信託報酬)の安い順にランキングを作成しています。インデックスファンドでは、日経平均株価をはじめとして投資対象が同じという商品が多数ある中、どれを選べばいいかわからないという人に向けて、コストで比較できるようになっています。 

 低コスト比較のカテゴリーは全部で8つあり、日経平均株価、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、海外リートとなっています。投信で積立投資をする場合、インデックス型を選ぶ人は多いと思いますので、投資資産を決めたらこのランキングでまずは低コストのものを見てみるという使い方は非常に役に立つと考えています。

 ただ、現在すでに積立中の方は、途中でわざわざ売却してまでさらに低コストのファンドに乗り換える必要はないかもしれません。低コストのファンドに期待されるのは、中長期で効率的に運用するということですが、より低コストのものを追いかけて乗り換えを繰り返すと、ドルコスト平均で積み上がったものをその都度売却して買い直すので、あまり効率的とは言えないからです。

 ここまで見てきたものは、いずれもカブドットコム証券の投信ランキングの活用法です。ネット証券によって、投信ランキングのカテゴリーは少しずつ異なります。それぞれのランキングをただ眺めるだけでなく、「このランキングはどのように見たらよいだろう」と考えていただくと上手に活用できるのではないかと思います。


【まとめ】
投信ランキングは、投資信託の情報を得たいと思うときにすぐ使える客観的なデータです。使わないのは、もったいないですよ。ランキングで気になるものがあったらクリックして、そのファンドの詳細を確認、類似のファンドには何があるのか、よりコストの低いものは?、もっとリスクを抑えたい場合は?…というように、投信ランキングを入口にしてファンドを探すことができます。
繰り返しになりますが、ランキングに載っているファンドをそのまま買うのではなく、情報ツールのひとつとしてうまく活用していただけたらうれしいですね。

(取材・記事:肥後 紀子 / 撮影:柴田 潔 / 編集・制作:グッドウェイメディアプロモーション事業部)

(オリジナル記事掲載元:ネット証券4社共同プログラム「資産倍増プロジェクト」ネットで投信を買う!





13:35 | 写真:投資家向け




 

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