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2014/02/22

【日本金融監査協会(IFRA)】金融機関の役員・監査役・内部監査部門長約50名を集め、リスクガバナンスを考える特別研究会を開催(参加費無料)。金融庁佐々木審議官らが、リスクガバナンス強化の重要性と内部監査部門長、監査役への期待を熱く語った。

| by:サイト管理者




 2014年2月20日(木)、日本金融監査協会(IFRA)は、赤坂Bizタワー30階 トムソン・ロイターのセミナールームにおいて、銀行・証券・保険会社などの役員・監査役・内部監査部門長約50名を集め、金融機関の「リスクガバナンス」を考える特別研究会を開催した(参加費無料)。


 冒頭に、金融庁 検査局 審議官 兼 公認会計士・監査審査会事務局長 佐々木 清隆 氏が「平成25年事務年度 金融モニタリング基本方針-内部監査・監査役に期待される役割」と題して講演。主要行・地域金融機関・外国銀行・保険会社それぞれの業態における経営課題を踏まえて、金融モニタリングにおける重点検証ポイントを具体的な事例を交えながら解説した。
 今後、内部監査部門は、金融モニタリングの直接の窓口となり、経営課題を改善に導いたり、潜在リスク発生を未然に防止するなど、一段の機能向上を求めていくことを強調した。また、日本の制度では、本来、ガバナンスの要となるはずの監査役が、多くの金融機関で機能不全の状態にある点を問題視。金融庁検査で徹底した改善を促すことを明らかにした。監査役監査スタッフの充実、内部監査、会計監査との連携強化を求めていくという。
 金融機関のガバナンス向上のため、金融庁として、監査役、内部監査部門長の組織内のステータス・アップを働き掛ける方針を明らかにした。



 その後、ランチをはさみ、あずさ監査法人/KPMG 金融事業部 金融アドバイザリー部パートナー 内 聖美 氏による「金融機関リスクガバナンスの将来展望」では、金融危機の真摯な反省にもとづき、「リスクガバナンス」の強化に向けて積み重ねられてきた国際的な議論を解説。取締役会の専門性と独立性の確保、リスクアペタイト・フレームワークの導入、監査機能の増強などを、海外の金融当局では厳しく求め始めていると指摘。G-SIFIsをはじめ、日本の有力な金融機関も、リスクガバナンスの国際的なスタンダードを無視できなくなるため、リスクガバナンスの態勢整備を早期に検討すべきであると語った。

 慶応義塾大学経済学部教授 吉野 直行 氏による講演「わが国金融経済の将来展望」では、マネーフローの分析を通じて、日本の金融界は間接金融から直接金融へと構造転換を図る必要があるとし、特に取引先企業のアジア進出を支援する「アジア・ファンド」や、地域経済の活性化を狙った「ふるさと投資ファンド」など、ファンドの活用が有効であると指摘した。


 ランチ、コーヒーブレークを利用して、銀行・証券・保険会社などの役員・監査役・内部監査部門長ら約50名の参加者は、業態を超えて情報交換を行った。日本金融監査協会(IFRA)では、今後も役員・監査役・内部監査部門長を招き、年に3~4回、リスクガバナンス研究会を開催し、ネットワーキングの場として提供していくという。

(取材、撮影、記事、編集・制作: 藤野 宙志、柴田 潔、協力: 日本金融監査協会、会場提供:トムソン・ロイター・マーケッツ)



 日本金融監査協会(IFRA)は、金融の分野で、リスク管理、監査等に関わる高度な人材の育成を支援し、リスク管理と監査の発展に貢献することを目指して設立された非営利組織(設立と活動の目的)。経営マネジメント、企画部門、リスク管理部門、監査部門の担当者向けに、各分野の実務家、専門家を招き、リスクマネジメントと監査のポイントについて実費相当の廉価な価格(非営利の活動)で研修セミナーを企画・開催している。

 日本金融監査協会(IFRA)では、会員、賛助企業・団体の登録(年会費:10,000円、対象期間:4月1日~翌年3月31日)で、初回の「研修セミナー」(スケジュール&申込み)受講費用は無料、2回目以降は会員価格(5,000円)で受講が可能なほか、非会員の場合でも、毎回受講費用(10,000円)を支払えば受講が可能となる。また、「研修セミナー」以外にも、会員優先で受講できる「特別研究会」(無料)、金融機関の役員、監査役、内部監査部長を対象とする「リスクガバナンス研究会」(無料)も開催している。

 昨今、金融リスクが多様化・複雑化する中、その顕在化による影響を抑え、経営の目標を達成することが難しくなっており、経営管理の高度化のためには、リスク管理機能の強化を図るだけでなく、その有効性を検証する監査機能(内部監査、会計監査、監査役監査)の強化を併せて図る重要性が増しているという。厳格なリスク管理、内部統制・内部監査が重視される時代を迎える中、金融機関が直面している課題を共有し、最新動向と打ち手のヒントを掴み学ぶ場として、IFRAの研修セミナーを有効に活用されたい。

◎参考書籍:「KINZAIバリュー叢書 内部監査入門(日本金融監査協会 編)」


15:43 | 写真:金融・IT業界向け




 

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