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2017/01/26

【スティラート】なぜ今、リベラルアーツが「人財」育成に必要なのか!?金融・IT業界などのビジネスピープルを対象にした定期開催中のアートのアカデミー「ExARTアカデミー」の取材レポート!(②宗教学編)

| by:ウェブ管理者


 芸術文化教育に関する研修プログラム、講演、イベントの企画、運営などの事業を展開するスティラート(stylart、以下同社)は、金融・IT業界等のビジネスピープルを対象に、「アート」の力で企業の「人財」を育てようとする「ExARTアカデミー」を開催している。2016年12月公開の取材レポート(日本美術編)に続き、今回は宗教学編をレポートでお届けしたい。

 「宗教学編:知っておくべき世界と日本の宗教 」は、日本美術編同様、2016年は年間で全12回の講義が組まれたが、既にご紹介の通り、年が明けた本年2017年(プログラム)のカリキュラムには、さらに【STEP 2 コース】として、「日本美術編:洞察と想像力で観る日本美術 (全3回)」、「宗教編:宗教における思想と判断軸 (全3回)」、「ワイン編:ワインビジネスの真髄 (全6回)」が新たに追加され、カリキュラムの内容が大幅に強化された。




【開始の挨拶】スティラート 代表取締役 大久保 有希子氏

 午後7時を迎え、進行も兼ねる大久保氏がまずは挨拶。最終回であるこの日の講義の内容などについて説明する。その後、宗教学編の講義が始まった。




【講義】宗教家・ギャラリーヒマラヤンアート主宰 牧野 宗永氏「知っておくべき世界と日本の宗教(最終回)」 
この日のテーマは「なぜ殺してはいけないのか?- 仏教の幸福論」


 最終会である今回のテーマは「なぜ殺してはいけないのか?- 仏教の幸福論」について。牧野氏は講義開始早々に受講者に対して、まずは「皆さんにとっての宗教とは?」という問いを投げかける。

 受講者が一通り「行動規範・・」、「心の救い・・」、「死に対する不安を解消するもの・・」、「自分を律するためのもの・・」などと回答した後、牧野氏はオウム真理教と闘って亡くなった坂本弁護士の「宗教が世の中に存在意義があるとしたら、多くの人を幸せにしないと意味がない」という言葉を紹介し、宗教とは、「我々が幸せに、幸福に生きるためのもの」だとする自身の宗教観について解説を加えていった。

 その後も、「自分の愛すべき子供を殺した殺人犯の裁判で、精神疾患で情状酌量の余地ありの判決。そのとき、犯人を必ず極刑(死刑)にできるという優秀な弁護士に出会う。あなたはどうしますか?」という質問を通じて牧野氏は、「なぜ殺してはいけないのか?」というテーマについて掘り下げていく。感情に任せて復讐をしても、結局その人は幸せにはなれず、何も戻ってもこず、ネガティブな感情はネガティブな行動を生み、最後にはそれが自分に返ってきてしまう「因果応報」について解説し、ネガティブな感情から解き放たれて充実し安定した気持ちに落ち着くことこそが仏教の幸福論であると受講者に語りかけた。

 単に聞くだけの受け身の「受講」ではなく、1年を通じて「思考する」、「発言する」ことを繰り返し、自分なりの宗教観を確立しながら、
受講者達はビジネスパーソンとしての武器といえる教養や思想を身につけていく。




【メッセージ】大久保 有希子氏~グローバルな時代だからこそ、宗教を学ぶことによって自己のルーツを知り、真の意味での多様性(ダイバシティ)を養う必要があるのです。

 「もっと日本のことを勉強しておけばよかった」。海外経験のある人はほぼ必ず言われます。
一度外に出てみて初めて気づくことなのかもしれませんが、海外の人とコミュニケーションをとる場合、自分の英語力を嘆くのと同じくらい、いかに自分が日本の文化を知らないかを痛感した経験はありませんか?

 グローバル化が叫ばれる昨今、企業はみな「グローバルな人材育成」のために英語教育に力を入れ始めました。しかしながら、本当に英語だけ話せればグローバルビジネスができるのか?

 真のグローバル人材とは?を考えたとき、ひとつ確実に言えることは「確固たる自分の軸がなければグローバルでは闘えない」ということです。世界各地の多様な文化や価値観と出会った時にいかに自分の「価値軸」を持ちながら柔軟に対応していくか、これがグローバルビジネスの核であると言えましょう。

 では自分の「価値軸」とは何なのでしょうか? それは物事を思考決定するときの根拠となる基準であり、道徳や倫理観と深く関係しています。例えば日本であれば、古来から伝わる宗教や文化がそれと密接に関係していて、「悪いことをするとご先祖様が見ている」という祖先信仰や「いただきます」という八百万の神を持つ自然信仰、或は「神様仏様」「南無阿弥陀仏」など仏教に関連していることも多々あるのです。

 宗教を客観的に学ぶことは宗教を信仰することとはまったく別物です。アメリカ主体の資本主義がキリスト教のプロテスタンティズムと深く関係していたり、ISの問題を含め世界では確実にイスラム教徒が増えていたり、グローバルで考えたときに宗教は切っても切れない関係であり、古今東西昔から世界に存在する宗教を知ることは多様性を許容するためにもとても重要なことです。だからこそ、ビジネスパーソンが知っておかなければいけない最低の教養として、今こそ「宗教」が学ぶべき必須項目であることは間違いありません。

10年後の会社のために「アート」の力で「人財」を育てる。『ExARTアカデミー』



取材、撮影:柴田 潔、村上 遥 / 記事、編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )





16:09 | 取材:金融・IT業界向け

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