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2018/06/20

三機工 Research Memo(1):建築設備工事の大手。長い歴史の中で培われた高い技術力や信用力が強み

| by:ウェブ管理者
*15:31JST 三機工 Research Memo(1):建築設備工事の大手。長い歴史の中で培われた高い技術力や信用力が強み
■要約

三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備及びプラント設備の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどであり、同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと90年余の実績から培われた高い技術力や信用力である。

1. 2018年3月期は営業利益が前期比9.7%増、次期繰越高は前期末比16.9%増
2018年3月期の業績は、受注高191,113百万円(前期比2.8%増)、売上高170,157百万円(同1.0%増)、売上総利益25,060百万円(同11.2%増)、営業利益6,593百万円(同9.7%増)、経常利益7,434百万円(同8.1%増)となったが、親会社株主に帰属する当期純利益は、大和地区再開発計画に伴う固定資産除却損等を特別損失に計上したことから3,906百万円(同16.9%減)に留まった。次期繰越高は144,712百万円(前期末比16.9%増)と高水準を維持した。前期に引き続き原価管理の徹底、作業効率の向上などを推進したことで利益率も改善、売上総利益率は前期比1.3ポイントアップの14.7%となった。

2. 繰越工事高は高水準で2019年3月期も増収・増益を見込む
進行中の2019年3月期の通期業績は、受注高175,000百万円(前期比8.4%減)、売上高187,000百万円(同9.9%増)、営業利益7,500百万円(同13.8%増)、経常利益8,000百万円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,500百万円(同40.8%増)と増収増益の計画となっている。手持ち工事高が豊富であることから、予期せぬ不採算工事が発生しない限りこの目標達成は可能だろう。むしろ期中受注・期中売上が増加すれば、更なる上方修正もありそうだ。

3. 中期経営計画“Century 2025”Phase1の目標達成は射程圏内
同社は創業100周年に向けた10年間の目標として、長期ビジョン“Century 2025”を2015年3月に発表している。この計画の最終目標は、顧客からもっと「選ばれる会社」になることであるが、まず最初の3年間を中期経営計画“Century 2025”Phase1とし、その定量的目標として、最終年度の2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円を掲げているが、既に射程圏内と言える。また具体的施策として大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)を発表しているが、計画は着実に進行しており、その大きな柱である総合研修・研究施設「三機テクノセンター」は2018年10月頃にオープン予定である。

4. 2018年3月期は年間35円配当に加え、300万株の自己株式消却と新たに300万株の自己株式取得を実施
同社は、これまでの安定配当や近年の増配に加え、自社株買いなど積極的な株主還元を実施している。2018年3月期は、普通配当20.0円に3期連続となる特別配当15.0円を加え、年間配当35.0円(配当性向55.5%)を行ったが、これは前期の年間配当30.0円(普通配当20.0円+特別配当10.0円)から+5円の増配となる。2019年3月期については、現時点ではベースとなる普通配当20.0円を維持する予定としているが、前年度も好業績による特別配当15.0円(年間)を実施していることもあり、今後の業績によっては増配の可能性もあるだろう。加えて、当期には株主還元の一環として、保有する自己株式300万株を2017年5月22日付で消却し、さらに新たに300万株の自己株式を取得(すべての取得を完了)した。

■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備工事会社。利益率改善策を実行中
・2018年3月期に続き、2019年3月期も増収・増益の見込み
・株主還元に前向き、自己株式300万株の消却に続き新たに300万株の自己株式を取得済み

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


《MH》

15:31 | 注目トピックス 日本株

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