金融&IT業界の情報サイト
 
 
 
写真レポート >> 記事詳細

2016/07/02

【東京国際金融センター推進会議(東京都 政策企画局)】新興資産運用会社・資産運用フィンテックの発展支援機能の整備へ、東京国際金融センター構想に係る「ビジネス交流拠点の活性化分科会(第6回)」開催!

| by:サイト管理者


 2016年05月30日(月) 、東京都 政策企画局は、茅場町共同ビル1階にあるFinGATEイベントスペースにおいて、「東京国際金融センター構想」の一環として設置された「東京国際金融センター推進会議」の「ビジネス交流拠点の活性化分科会」(第6回)を開催した。

 前回(第5回:取材レポート)の分科会に続き、拠点の特色ある新しい動きとして「フィンテック」をテーマに、新興資産運用会社・資産運用フィンテックの発展支援機能整備に係る現状の取組を紹介すると共に、今後のあるべき姿について議論。今回の会場 FinGATEを運営する平和不動産 主催によるネットワーキングも開催された。

 当日は、デベロッパー、金融機関、経済界、法律事務所、監査法人、関係省庁、東京都関係局など約40団体から約90名が参加した。



 冒頭に、東京都 政策企画局 計画担当課長 村永伸司氏より開催の背景について紹介、続いて、東京都 政策企画局 計画担当部長 梅村 拓洋氏より開会の挨拶が行われた。来場者や関係者へのお礼の言葉と共に、旬なテーマである「フィンテック」についてFinGATEを舞台に資産運用に焦点をあて、金融庁での有識者会議の立ち上げや東京都が計画している外国金融系企業の誘致など、さまざまなサポートの動き出ていることに言及。分科会においても、引き続き、いろいろなテーマを複合的に結び付けていくことでイノベーションや日本経済の活性化につなげたいとし、パネルやネットワーキングなど新しい企画を持ち寄り、更に盛り上げていきたいと語った。



 講演「Fintechに関する足元の取組」では、金融庁 総務企画局 政策課 課長補佐 久米 均氏が登壇し、「FinTechサポートデスク」の設置や「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」の設置について解説。銀行法の改正が進む中、欧米に比べて遅れていると指摘される日本のフィンテック業界において、日本の強みを活かしつつ海外展開を視野に入れたフィンテックベンチャーの創出を図るなど、引き続き、エコシステムの実現に向けた方針の検討と金融業に与える影響について議論していくとした。

 講演「日本橋兜町における金融拠点形成に向けた取組み~新興資産運用会社とFinTechの発展支援~」では、平和不動産 開発企画部 高橋 悦郎氏が登壇し、国際金融構想において日本橋兜町地区は資産運用に係るフィンテックの発展支援機能の集積を目指し、兜町の歴史的・地理的な背景、CAFE SALVADOR(内覧会・レセプションパーティーの取材レポート)FinGATEといった拠点整備をはじめ、資産運用ビジネスに焦点をあて、平和不動産が志向する街づくりとアクションについて披露した。



 講演「資産運用ビジネス概論」では、レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長 藤野 英人氏が登壇し、資産運用会社の現状について代表の立場から解説。現在手掛けている投資信託と投資顧問ビジネスの運用残高は約2,000億円。自身の経歴紹介と共に起業した理由を紹介。日本の資産運用会社のあり方と課題に触れ、リスク資産を投資を通じて長期的な産業資本を支える機能を果たすべく、今後、日本の中で投資信託会社のベンチャーが増えていくために必要な規制を含めたハードルや変革のポイントを指摘した。

 講演「Fintechがもたらす資産運用ビジネスの展望」では、ウェルスナビ 代表取締役CEO 柴山 和久氏が登壇し、同社が目指す次世代金融サービスの未来と考え方を解説。その上で、実現に向けてどのような課題があり、どのように乗り越えていくかなど、スタートアップの視点から課題を披露。人材採用、組織づくり、資金調達、コンプライアンス、アクセラレーターを挙げ、実際の取り組みを具体的に振り返りと共に資金調達時のポイントや専門領域のプロフェッショナルによるサポートが不可欠である点など詳しく語った。



 パネルディスカッション「資産運用ビジネスの発展支援に必要な機能~FinとTechのさらなる交流を深める施策とは~」では、パネリストとして、藤野氏、ロボット投信 代表取締役 野口 哲氏、日本アイ・ビー・エム アドバイザリーITスペシャリスト 森住 祐介氏が登壇、平和不動産 執行役員 中尾 友治氏がモデレーターを務めた。




 パネルでは、野口氏と森住氏からそれぞれの紹介が行われた後、資産運用という分野にフィンテックがどのような役割を果たせるか、フィンテックがどうすれば育っていくか、官と民の関係者がどういうことをやっていくのが望ましいか、といった点について、「投資家視点と運用者視点によるAI(人口知能)の活用やアカデミックと資産運用業界の関わりを結び付ける人材の流動化」(藤野氏)、「データから相関を見つけ出すなど興味を持って主体的に取り組むモチベーションや夢中になれる環境の整備」(野口氏)、「高速処理によるビッグデータの活用や人を中心としたサービスデザインとコミュニティの重要性」(森住氏)など、それぞれの私見が披露された。



 パネルディスカッション終了後はネットワーキングが開催され、平和不動産 代表取締役社長 岩熊 博之氏より乾杯の挨拶。お礼の言葉と共に金融市場スタートの地である兜町の歴史に触れ、時代と共に街の姿が変わってきている中、証券の地として投資家および資産運用業者が主役になっていく街にしていくことが社会的な要請だとした。その上で、この10万平米のエリアを今後20年前後の開発期間をかけて再開発し、日本資本主義の父でもある渋沢 栄一氏から始まる140年の歴史と融合しながら、魅力ある、足を運びやすい、使いやすい資産運用の街として、新しい兜町を作り上げていきたいと抱負を述べた。

<<取材を終えて>>
 東京都 政策企画局が推進する金融ベンチャー企業の発展・支援に貢献する新たな取組みやビジネス交流拠点の活性化と共に、民間企業によるベンチャー集積地の再開発も進められている。少子高齢化が進む日本社会において、年金や資産運用など国民一人一人のファイナンシャル・マネジメントの最適化は不可欠であり、必ずしも高度な金融知識がなくても経済的に安心して豊かに暮らせる社会の実現に向けて、今後の東京都が目指す東京国際金融センターの実現に向けた取組みと、新たな資産運用時代のあり方と行方に注目したい。

(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )




23:38 | 写真:金融・IT業界向け




 

【免責事項】
サイト掲載情報の正確性、および完全性については最善を尽くしておりますが、その内容を保証するものではございません。また利用者が当サイト、およびサイトに関連するコンテンツ、リンク先サイトにおける一切のサービス等を利用されたことに起因、または関連して生じた一切の損害(間接的、直接的を問わず)について、当社、当サイト、投稿者および情報提供者は一切の責任を負いません。

Copyright © 2010- GoodWay Inc. All rights reserved.