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2017/10/20

【東海財務局】豊証券株式会社に対する行政処分について公表~損失補填行為等により業務改善命令

| by:ウェブ管理者
1.豊証券株式会社(本店:愛知県名古屋市、法人番号6180001041714)(以下、「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反の事実が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた(平成29年10月13日付)。

(1)損失補填行為
 当社X支店において平成25年9月から同28年3月までの間は次長の職に、同28年4月から同29年4月までの間は支店長の職にあった者A(以下「A支店長」という。)は、顧客1名に対して、損失の補填を事前に約束した上で株式の売買取引を行わせたほか、当該顧客を含む3名の顧客に対して、株式の売買取引において実際に発生した損失を補填するため、自己資金合計約465万円を顧客の取引口座に入金した。

ア 事例1
 A支店長は、平成26年11月頃、顧客Bに東京証券取引所マザーズ上場株式の買付けを推奨したところ難色を示されたため、自己の営業成績向上を図る目的で、「損が出たら私が持ちます。」などと発言し、顧客もこの発言により買付けに同意したことから、同年同月、当該株式を買い付けさせた。その後、平成27年5月、顧客Bが当該株式の売付けを行い、この結果損失が発生したことから、A支店長は、上記の約束に基づき、自己資金105,659円を顧客Bの取引口座に入金した。
イ 事例2
 A支店長は、平成26年2月、顧客Cが、信用取引の追加保証金の差入れが必要となったため、取引を継続することに難色を示したことから、自己の営業成績向上を図る目的で、「私が資金を出すので取引を続けて欲しい。」などと発言した。顧客Cは、A支店長の発言により取引を継続することに同意したことから、A支店長は、追加保証金及び今後損失が発生した場合の決済損金に充当してもらう目的で、自己資金1,000,000円を顧客Cの取引口座に入金した。その後、顧客Cが順次、信用取引建玉の決済を行い、この結果生じた損失の一部に、先にA支店長が入金していた1,000,000円を充当した。
 A支店長は、その後も、顧客Cに取引を継続してもらう目的で同様の行為を繰り返し、上記を含め、平成26年4月2日から同28年7月8日までの間に、信用取引により生じた損失の一部に充当するため、自己資金合計3,119,676円を顧客Cの取引口座に入金した。
ウ 事例3
 A支店長は、顧客Dに対して、事例2と同様に、平成28年1月21日から同年8月5日までの間に、信用取引により生じた損失の一部に充当するため、自己資金合計1,430,518円を顧客Dの取引口座に入金した。

(2)専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買
 A支店長は、専ら自己の有価証券売買益を獲得する目的で、顧客Eからの借入金(約1億5千万円)を原資として、親族を含む2顧客の取引口座を使用して、自己の計算により、平成25年12月から同29年1月までの間、国内上場株式の売買取引を頻繁に行った(延べ売買合計623回、延べ約定代金合計約5億3千万円)。

 上記(1)及び(2)の背景として、以下のとおり、当社の法令等違反行為に係る防止態勢が不十分な状況が認められた。
・ 当社は、支店長等の営業管理職が行う営業状況の適切性を確保するための管理態勢が不十分であった。
・ 平成28年3月及び同29年2月に、2店舗で無断売買、名義借り及び顧客との金銭貸借といった法令等違反行為が発生しているが、当社経営陣は、その発生原因は行為者の属人的な問題との意識が強く、発生原因を十分に分析した上で、実効性ある再発防止策を策定・実行することをしてこなかった。

 上記(1)アの行為は、金融商品取引法第39条第1項第1号及び第3号に掲げる行為に、同イ及びウの行為は、同項第3号に掲げる行為に該当するものと認められる。
 また、上記(2)の行為は、同法第38条第8号(平成26年5月30日法律第44号による改正前は同条第7号)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第12号に掲げる行為に該当するものと認められる。

2.以上のことから、本日、当社に対し、金融商品取引法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

○業務改善命令
(1)本件に係る責任の所在及び発生原因を明確化すること。
(2)経営管理態勢及び内部管理態勢の見直しを図り、その十分な機能発揮の確保に取り組むこと。
(3)法令違反の根絶に向け、営業管理職を監視する態勢を見直すなど、実効性のある再発防止策を講じること。
(4)営業管理職以上を中心に、役職員の法令等遵守意識を徹底するため、必要な研修等を実施すること。
(5)上記(1)~(4)について、その実施状況を平成29年11月20日までに書面で報告すること。


原文はこちら
http://tokai.mof.go.jp/rizai/pagetokaihp019000112.html

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